ブラック企業という言葉はわりと浸透していますが、厚生労働省より公表されているブラック企業リストがありますので、これから転職活動をする方は見ておくといいでしょう。一見すると知名度が高く優良企業だと思っても、実はゴリゴリのブラック企業だというケースはあります。
そこで、労働基準関係法令に違反したブラック企業リストをチェックするほか、選考を受けようとしている会社がブラック企業であるかどうかを見極めるポイントについて、解説していきたいと思います。
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厚生労働省のブラック企業リストをチェック!
厚生労働省ではブラック企業について明確な規定はないものの、一般的な特徴して以下を挙げております。
- 労働者に対して過度な長時間労働・ノルマを課す
- 残業代が支払われない・パワハラなどモラルの欠如、コンプライアンス意識が低い
- 労働者に対する極端な選別
長時間労働による過労死など社会問題になっていますが、上記のような具体的な理由について厚生労働省によるブラック企業リスト(労働基準関係法令違反に係る公表事案)でも記載されています。
ブラック企業リストの例
引用元:労働基準関係法令違反に係る公表事案(2019年11月)
上画像は、2019年11月分で厚生労働省より公表されたブラック企業リストの一部です。『労働基準関係法令違反に係る公表事案』は毎月更新されますが、一度リストに入ったら1年間は公表されるので、ブラック企業リストに入った会社は評判を落とすでしょうね。
ブラック企業リストの更新については厚生労働省の公式サイトより確認できますが、2019年11月だけでも300~400件はありますので法律を守らないブラック企業は大量にあるでしょう。
ブラック企業リストによくある業界は?
上記で取り上げた厚生労働省のブラック企業リストでは建築業界が多めですが、実際ブラック企業になりやすい業界は傾向があります。
中には年収が高く稼げる職種・業種もありますが労働環境が過酷であることを理由に、離職率が高かったりうつ病になりやすいといったリスクもあるので注意しましょう。
ブラック企業の多い業界1|建築業界
ブラック企業の多い業界では建築業があり、工期・納期に追われる仕事柄長時間労働や残業代の未払いなど過酷な現場ですね。
個人的な意見としては、職人やスキルアップを目指すと言った前向きな目的がない限り、軽い気持ちでの就職・転職はおすすめしません。実際、現場監督として働き始めた新卒の社員が自殺をしたなど深刻な問題が起きております。
参考記事:新国立競技場の新卒「現場監督」が自殺…過酷な建設業界の労働実態
ブラック企業の多い業界2|不動産業界
不動産会社もマンパワー中心の営業がまだ一般的にあり、営業目標達成が第一としてありますので目標未達だった場合に上司から厳しいパワハラを受けることもあります。
また、不動産は顧客にあわせて対応するので土日出勤・休日出勤もわりと多く、ブラック企業の傾向にありますね。ただ、営業成果が出た分、インセンティブ・給料も多くもらえるので稼げるという目的で不動産会社への転職を希望する人もいますが、代償として何かを失うということには注意しておきましょう。
ブラック企業の多い業界3|飲食・小売業界
飲食やコンビニ・アパレルなどの小売業も離職率が高く、労働時間が長いことや年間休日数が少ないことなど働きづらさ・ワークライフバランスの悪さゆえブラック企業という位置づけで認識されています。
最近でも、コンビニチェーン店での残業代支払い不足など不祥事が続いています。まだ飲食業界では『バイトテロ』で世間からの評価が下がったり、程度の低いバイトの管理の難しさなど厳しい面がありますね。
参考記事:セブンイレブン、加盟店従業員の残業代未払いが判明、12年以降で約4.9億円
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ブラック企業であるかどうか見極めるチェックリストまとめ
転職活動で求人を見る際に、ブラック企業であるかどうかの判断基準についても知っておくといいですね。
不安な時は転職エージェントに相談する手段もありますが、対応の悪い担当者だと都合の良いことだけを言ってブラック企業を勧めてくるケースもありますので、ご自身である程度見極めておきましょう。
関連記事:転職エージェントのメリット・デメリット
ブラック企業の基準・チェックリスト1|求人の内容
求人広告や概要に書いていることで、ブラック企業であることを以下でまとめました。
- 給与幅が広い(300~800万円など)|極端なノルマを達成しないと、低賃金になるリスク
- 募集期間が長い|なかなか人が入ってこない・離職率が高め
- 新卒者向けの初任給が高い(大卒で30万円以上など)|不動産会社でよくあります
- 勤務地がアバウト(東京都23区内など)|客先常駐でグレーな派遣
- 見込み残業時間が長い|30時間以上は要注意です
特に給与面で、怪しいと感じるポイントがあるので応募する前によく見ておくといいですね。
ブラック企業の基準・チェックリスト2|ネット上の評判も確認
選考を進める前にまず、『◯◯(会社名) 評判』とネットで検索して、転職掲示板などで評価や口コミを確認しましょう。
- 会社を辞めた人の悪評が書かれている
- 2chなどの掲示板で悪口が多い
- ネットニュースでの不祥事がある
ネット上の情報は必ずしも信頼できるものではありませんが、明らかに悪評の量・口コミが多ければ会社に問題ありと判断できます。
ブラック企業の基準・チェックリスト3|面接・選考時に確認するべきこと
また、面接・選考を受ける際に確認するべきこともあります。以下の項目に当てはまる場合、ブラック企業の可能性が高く要注意ですね。
- 面接が1回だけ(スタートアップ企業ならまだ考えられますが、ある程度の規模がある会社は微妙)
- 面接官が高圧的
- あまり答えたくない質問をされた(親の職業・宗教の信仰など)
面接回数は少ない方が採用されやすいですが、1回だけとなると大量採用・大量離職を繰り返して人の入れ替わりが激しいイメージもあります。ただ、ベンチャーやスタートアップ企業では取締役が対応する1回だけの選考でもわりと普通です。
あとは、面接官は一緒に働くメンバー・上司になる方ですので、個人的に合う合わないという判断も大事にしましょう。仕事内容や待遇が良くても、馬が合わないと仕事を続けるのは難しいですね。
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